ITJ(Interference Technology日本版)10月号_no89
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TESTING17  INTERFERENCE TECHNOLOGY 日本版 2021.10 ●「EMC for Systems and Installations」の紹介:(筆者がTim William氏と共同執筆した本)https://www.emcstandards.co.uk/emc-for-systems-and-installations2●上記含め、2000年無料シリーズの記事一覧:「EMC for Systems and Installations series」https://www.emcstandards.co.uk/emc-for-systems-and-installations-series ●無料ガイドブック2冊: 「Good EMC Engineering Practices in the Design and Construction of Industrial Cabinets」https://www.emcstandards.co.uk/good-emc-engineering-practices-in-the-design-an1「Good EMC Engineering Practices for Fixed Installation」https://www.emcstandards.co.uk/good-emc-engineering-practices-for-fixed-instal2●筆者最新のトレーニングコース「EMC for Systems &Installations」https://www.emcstandards.co.uk/emc-for-systems-installations2 著書やウェブは上記のとおりだが、陸上、海上、海中、空中(固定翼または回転翼航空機)、宇宙など、あらゆるタイプの移動手段について資料を求めることは簡単である。2.電気的絶縁による電磁(EM)緩和(つまりフィルタ、シールド、 サージ抑制、電気的絶縁などによる保護) 極端な例として、一部の軍事機器やシステム設計の会社では、皆が「グランド」について理解している内容をユニットの設計者が信用せず、ユニットの金属筐体を「グランド構造」に直接、電気的に接続する一方、ユニットに出入りする電源入力と出力および全てのアナログとデジタルのI/Oを電気的に絶縁している。 次に、残りのシステムまたはユニット外の装置が実行した/しなかったものには何であっても、最悪事例のCMノイズ、トランジェント、サージに対応するEM緩和策を設計している限り設計者は単に気にしていない。 金属筐体内にある全ての電子機器を、電気的に絶縁(または「フローティング:oating」)する設計者もいる。これは、表皮効果によりRF電流が表面に沿って流れるという事実を利用する方法を理解していないからだと思われる。(参照:https://www.emcstandards.co.uk/skin-eect-and-surface-currents ) 残念なことに「フローティング」している内部の電子機器と金属筐体の内面およびケーブルのシールドとの間には大きな浮遊容量があり、ある周波数を超えると制御不能な状態でAC結合する。これにより多くのEMCの問題が発生し、克服するには多くのスペース、重量、コスト、時間が必要となる可能性があるが、政府にはそれだけの余裕はある! とにかく電気的絶縁装置は、発生する可能性のある最高最大の過渡/サージ電圧に対応する必要があるので、大型化、高コスト化、重厚化している。最新のRFスイッチング技術により、4kV定格のデジタル絶縁装置でさえ非常に小型化できるようになるが、その代償としてRFノイズエミッションが激増し、より多くのフィルタとシールドが必要となるため、小型化、低コスト化、軽量化のメリットが期待通りに得られない可能性がある。 最新の超小型デジタル絶縁装置が発生するノイズが予想外に高いため、政府の重要なプロジェクトが少なくとも1つ、何年も遅延していることを私は知っている。2020年には、この小型デジタル絶縁装置が3 GHzまで過剰なノイズを発生することは、ごく普通のことになっている。3.他の方法によるEM緩和(例えば、フィルタ、シールド、サージ抑制など)  効果的なEM緩和策を設計するには、次のことを理解する必要がある。i )機器に対する外部からのEMの脅威、およびそれらの機器内部のEMの弱点(感受性)。ii )機器の内部からのEMの脅威(そのエミッション)と、遵守しなければならない外部へのエミッション限度値。 航空業界では一般的に、EMC試験規格という形で、知るべき脅威と感受性を特定することが得意だが、他の人から提供された仕様だけに頼らないことを常にお勧めする。 結局、機器が意図したとおりに機能しない場合、問題の原因が単に顧客の不適切なEMC仕様だけに起因するのを証明することは、非常にコストのかかる作業であり、たとえ顧客側の原因だったとしても、多額の債務を負う可能性がある! いくつかの非常に深刻な経済的リスクを軽減するため、最初から少し慎重になった方がよい。 CMチョークを使用することで、設置されているシステム間、またはシステム内の異なるユニット間での「グランド構造」が不十分であることに起因するEMC問題を打開するのに効果がある。 そのため、どんな設計に対しても私の精神的な出発点はいつも、機器の各アイテムをシールドされた金属製の箱に入れて全ての信号ケーブルをシールドし(そして両端でシールドを正しく終端)、電源を含む全ての入出力に少なくともコモンモード(CM)チョークを基本とするフィルタを挿入し、さらに全てのデジタルI / OにESD抑制を施すことから始まる。 EMC要求事項に適合していれば、ケーブルのシールドを取り外したり、CMチョークのフィルタをいくつかのディファレンシャルモード(DM)フェライトビーズと交換したりできる。全てのデジタルI / Oには常にESD抑制が必要だが、一部のデジタルI / OデバイスではESD抑制が組み込まれていると言われているものの、実際の堅牢性については心配している。 しかし、EMC要求事項が最初の設計で簡単に対処できないぐらい厳しい場合は、2重シールドケーブル(両端のシールド層が両端で正しく終端されている)を使用でき、および/またはCMあるいはDMフィルタの第2ステージを追加できる。 フィルタは、過渡応答やサージの抑制に非常に役立つが、その用途は継続的なRF脅威だけに留まらない。ただし用途によっては、強力な低周波ノイズ、過渡応答、サージなどを受ける可能性があり、フィルタ単独では費用対効果の良い対処ができないため、MOV※、GDT※、SAD※[※訳者注] MOV:Metal Oxide Varistor (金属酸化物バリスタ)、 GDT:Gas Discharge Tube (ガス入り放電管)、SAD:Silicon Avalanche Diode (シリコンアバランシェダイオード)

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